1980年代、草創期のアダルトビデオ業界を席巻した伝説の男・村西とおるの半生をドラマ化した配信大手ネットフリックスの「全裸監督」。バブルの狂騒を背景に、生と性を貪欲に求める男女の姿が描かれる。武正晴総監督は「何もないところからはい上がってきた人間のバイタリティーはすさまじい。草食といわれる若い世代にこそ見てもらいたい」と話す。

 自身も学生時代、村西の監督作品に触れて衝撃を受けたという。「監督が男優として表に出てきて、カメラの前でしゃべり出す。全てが革命的で『こいつは一体何なんだ』と思いつつ、目が離せなかった」と振り返る。

 周囲を圧倒する強烈なキャラクターの主人公を演じたのは、個性派俳優の山田孝之。体を一回り大きくし、敬語を交えた独特の語り口まで再現して村西になりきった。武総監督も「役を一番よく把握していたのは彼だった」と絶賛する。

 ゆえに演技指導はほとんどしなかったという。「80年代のセットや衣装など、環境だけ整えて後は役者に委ねた。脇役まで実力者がそろったからできた撮り方」

 注目は村西との出会いをきっかけに、AV女優として開花する大学生を演じた森田望智だ。「誰でもできる役ではない。こんな女優がいたのか、とびっくりすると思う」

 代表作の映画「百円の恋」をはじめ、一貫して社会の枠からはみ出した人々の物語を手掛けてきた。「僕自身も行儀の良い人間じゃないから、アウトローを描くのが性に合っているんです」

 「全裸監督」は8日から、全8話一挙配信。