福島市松川町で起きた列車転覆を巡り、被告20人全員が最終的に無罪となった戦後最大の冤罪事件といわれる松川事件が17日で70年を迎えた。無罪確定まで14年間の法廷闘争を経験した阿部市次さん(95)=福島市=は「検察や裁判官が自白を『証拠の王』とする限り、冤罪はなくならない」と自白に依存した捜査からの脱却を訴えた。

 1949年8月17日未明、東北線の線路が外され列車が転覆し、乗務員3人が死亡した。1人の「自白」をきっかけに国鉄の組合員ら計20人が逮捕され、福島地裁は全員に有罪判決を下した。その後、アリバイが証明され、仙台高裁差し戻し審で全員無罪となった。