約3年にわたる免震工事を終えた日本銀行本店本館(東京都中央区)の見学が今夏、部分的に再開された。今年が設計者・辰野金吾の没後100年に当たることや、ネットで簡単に予約できるようになったことが手伝い、以前にも増して多くの人が訪れている。

 国の重要文化財の本館は明治中期の1896年に完成した。外壁の内側にれんが、外側に石をそれぞれ積み上げた3階建てで、ネオバロック様式にルネサンス様式を加えた威厳のある建物。外観はベルギーの中央銀行に範を取ったという。

 見学には、事前に予約が必要な一般見学(約1時間)と予約のいらない当日見学(約30分)がある。一般見学は、東門で集合して日銀の仕組みと役割を説明するビデオを見た後、本館の中庭などを見学する。中庭は回廊に囲まれ、開業当時、馬のために使われた水飲み場も残っている。来春からの全面再開では、本館内の地下金庫や旧営業場も公開される方向だ。

 当日見学は、南分館にある貨幣博物館でビデオを見て、本館の正面や西側を外側から見学する。

 修学旅行や金融機関の研修以外に、個人や少人数の団体が増えたのが再開後の特徴で、辰野建築のファンも多いという。日銀総務課の川村憲章広聴・図書グループ長は「日本人建築家が手掛けた最初の国家的近代建築である本館を、ぜひ直接ご覧いただきたい」と話している。