2023.08.31

耳かきし過ぎ「耳垢栓塞」に 掃除は月1、2回で十分

「耳かきをし過ぎると、耳あかを奥へ押し込んでしまう可能性がある」と語る小田島葉子院長
「耳かきをし過ぎると、耳あかを奥へ押し込んでしまう可能性がある」と語る小田島葉子院長

 「耳垢栓塞(じこうせんそく)という病気について、詳しく知りたい」との要望が、盛岡市内の40代女性から岩手日報社の特命取材班に寄せられた。盛岡市上田の小田島耳鼻咽喉科医院の小田島葉子院長に取材すると、子どもや高齢者の患者が多く、耳あかが湿っている体質の人も発症しやすいとのこと。「耳かきをし過ぎず、耳掃除の際は乾いたタオルで耳の入り口を拭き取るのが有効」と予防法を教えてもらった。

 小田島院長によると、症状は痛みや閉塞(へいそく)感、難聴など。中耳炎の症状とよく似ているため、中耳炎を疑って受診したら、耳垢栓塞ということもある。プールなどで耳に水が入り、ふやけた耳あかが詰まって発症するケースもある。

 耳あかは、ほこりや細菌、耳の穴の古くなった皮膚などが絡まってできる。本来は耳の自浄作用で自然に外へ排出されるが、耳の奥で固まってしまうと耳垢栓塞になる。

 年を重ねるにつれて、自浄作用が衰えて発症することも少なくない。たまった耳あかの上に補聴器を着けて「音が聞こえない」と来院する患者もいるが、多くの場合が耳垢栓塞という。

 発症した場合、耳鼻咽喉科での処置が必要だ。専門器具や吸引器で耳あかを取る。耳の奥で固まっている場合は、水を含ませて軟らかくしてから除去する。

 小田島院長は予防法について「耳かきをし過ぎないこと。自浄作用に任せて月1、2回の掃除で十分」と説明。綿棒は耳あかを中に押し込みやすいため、乾いたタオルで耳の入り口を「くるっと拭き取る程度でいい」とし、耳に違和感を覚えたら早めの受診を勧めている。

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