雄星の仲間たち(12) 及川彩子さんのMLBリポート
ベリオス(投手)

先発ローテーションを守るプエルトリコ出身の28歳右腕。今季は開幕投手も務めた。
速球の平均速度は150キロ前後とさほど速くないが、カーブ、シンカー、チェンジアップの変化球を操る技巧派投手。6月4日に古巣のツインズ戦で自身最多の13三振を奪っている。
高校卒業後の2012年にドラフト1位でツインズに入団。マイナーリーグを経て2016年に大リーグに昇格すると、2017年から3年連続で二桁勝利を飾り、2018年、19年にはオールスター出場も果たした。
ブルージェイズには2021年中盤に加入。
いたずら好きなゲレロにちょっかいを出されても、穏やかにあしらう大人しい性格だがマウンドでは一転、熱い投球を見せる。
「シーズン通して100%のコンディションでマウンドに上がるのは5試合くらい。良くない時にどれだけ踏ん張れるかが先発の役割。踏ん張ってもダメな時は、気持ちで投げる。最後は気持ちだと思う」
先発の柱として熱い投球にこれからも期待大だ。
カスティーヨ(投手)

「投手コーチから電話が来た時は、『何かやらかしたかな。やばい』と思った」
大リーグ昇格の知らせをドッキリだと思った、と話すのはベネズエラ出身、23歳のカスティーヨ。
今季はダブルAで開幕を迎え、トリプルAを経て、6月19日のヤンキース戦でデビューを果たした。
188センチ、128キロという大きな体から投げる速球、チェンジアップ、スライダーが武器。
野球を始めたのは6歳の時。当初は3塁手だったが、肩の強さを見込まれ15歳の時に投手へ転向した。
一足先に大リーグデビューを果たした捕手のモレーノはドミニカ・サマーリーグ時代からチームメイトで「仲良しでいつも一緒」と言う。
マイナー時代の愛称は「ラパパ」で、「意味はじゃがいも。沢山食べるし、体型も似ているから」と笑う。
デビュー戦では2者連続本塁打を打たれ、ほろ苦いものになったが、沢山食べて本領発揮できるか。

米ニューヨーク在住。陸上、サッカー、ゴルフなどを幅広く取材するフリーライター。45歳。北上市出身。
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