雄星の仲間たち(11) 及川彩子さんのMLBリポート
ビジオ(野手)

内野のユーティリティ選手としてプレーするテキサス出身の27歳。
毎日、誰よりも先にグラウンドに出て、コーチと黙々と守備練習を行う姿が印象的だ。
「いつどのタイミングで、どこの守備につくか分からないから、しっかり準備して、自分の役割を全うしたい」
大学卒業後の2016年にブルージェイズに入団。マイナーリーグを経て、2019年5月に大リーグデビューを果たした。ゲレロやビシェットはマイナー時代から切磋琢磨した仲間だ。
オールスターに7度出場経験を持つ父のクレッグさんは19年間アストロズでプレーした。
幼い頃から野球をプレーしてきたが、父から強制されたことはない。
「高校では春は野球、秋はアメフトをプレーした。どちらの道で進むか迷った時期もあったけど、一番好きなのは野球」と笑う。
6月中旬以降、打撃も好調で得点に絡む場面も多い。
「自分のことよりもチームの勝ちに貢献したい。それだけを考えてプレーしている」
プレーオフ進出に向けて、さらなる飛躍を期待したい。
カーク(捕手)

「キャプテン・カーク」という愛称を持つメキシコ出身の23歳。
野球コーチを務める父親の影響で3歳から野球を始め、メキシコリーグでプレーしている時にスカウトされ、17歳でブルージェイズと契約。マイナーリーグを経て、2020年9月に大リーグデビューをした。
173センチと小柄ながら、111キロとがっちりとした体格の持ち主。強肩で、フレーミングを始めとした捕手としての能力が高いほか、打撃センスも抜群でDHでの起用も多い。
逆らわずに素直に振る打撃で今季はすでに本塁打6本、2塁打10本を放っている。父のファンさんから「球をよく見るように」と幼い頃に叩き込まれた影響で選球眼にも長けており、三振よりも四球の数が多い。
あえて弱点をあげると足が遅いことだが、ゆるキャラのような体型で全力疾走する姿は好感が持てる。
正捕手のジャンセンが怪我で離脱し負担は増えたが、気負うことなく笑顔でプレーしてほしい。

米ニューヨーク在住。陸上、サッカー、ゴルフなどを幅広く取材するフリーライター。45歳。北上市出身。
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