2022.07.22

衛星通信は極地観測の要 南極days(14)

衛星通信回線を切り替えるため作業する(右から)三井俊平さんと石川嵩さん=南極・昭和基地
衛星通信回線を切り替えるため作業する(右から)三井俊平さんと石川嵩さん=南極・昭和基地

 南極・昭和基地で観測を行う上で、欠かせないのが衛星通信だ。多岐にわたる貴重な観測データを国内に送り、設備の保守や医療の面でも重要な存在。機器のトラブルを防ぎ、インターネット環境を維持するため、半年に1度、衛星通信回線の系統切り替えを行う

 「各局、これから系切り替え作業を行いますので、インターネット不通となります」。基地中心部から約350メートル離れた制御室。第63次南極地域観測越冬隊の三井俊平さん(31)=KDDI、東京都東村山市出身=が無線で隊全体に作業開始を伝える。

 衛星通信データを送受信する機器の配線を組み替え。担当隊員は三井さんのみのため、石川嵩(たかし)さん(33)=気象庁、札幌市出身=が作業手順書を読み上げて補助した。

衛星通信用の高さ7・6メートルのアンテナ。風雪から守るレドームに覆われている

 同基地のインテルサット衛星による通信は、45次隊が大型アンテナの設置工事に取り組み、46次隊から運用を開始。機器の長寿命化のため、約半年ごとに2系統ある回線を切り替えながら運用している。

 回線は観測データの送信が主だが、隊員と国内の連絡手段でもあり基地生活では欠かせないインフラ。副次的な効果として、隊員がネット経由で家族らともやりとりできる。通信障害は国内でも大きな影響が広がるが、極地ではより深刻な事態に陥る。

 「通信が断たれれば、南極は本当に隔絶された場所となる。そうならないための重要な保守業務だ」と三井さん。緊張感が伝わってきた。

 

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 第63次南極観測越冬隊の活動は、岩手日報本紙をご覧ください。

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