大谷、技巧派右腕に不発 及川彩子さんのMLBリポート

敗戦が決まると、大谷翔平(花巻東高)はサバサバした表情でダグアウトから引き上げた。
スライダー、チェンジアップ、カーブなど変化球を駆使する技巧派の右腕31歳ライルズを攻略できず、3打数無安打に終わった。
立ち上がりは決して良くなかった。
初回、制球難に苦しむライルズから、大谷はストレートの四球で出塁。その後、暴投や四球で2死満塁となったが、6番レンヒーフォが右飛で好機を生かせず無得点。
その後、調子を取り戻したライルズにエンジェルス打線は苦しんだ。
大谷は2打席目もチェンジアップを中心とした変化球攻めにあうと、6球目のアウトコースのチェンジアップを強振。
抜けたかと思われたが、相手守備の大谷シフトにかかり、遊ゴロに。
3打席目も同様で、2打席目とほぼ同じコースにきた初球のチェンジアップに手を出し、詰まったあたりで左飛に倒れた。
「自分の持ち球と大谷の苦手な球種が一致していた」とライルズ。試合前にデータを分析し、捕手とともに大谷攻略方法を立てていたと話す。
4対1と追いかける展開で迎えた4打席目は、3番手の左腕ペレスとの対戦。アウトコースのスライダーに全くタイミングが合わず空振り三振に終わると、大谷は思わず天を仰いだ。
6日のマーリンズ戦の試合後に大谷は「打者として出場した際に勝ちに貢献できないことがあり、申し訳なさはある」と話していたが、この日も悔しい結果に終わった。
ネビン監督代行は試合前に「皆、ショーヘイとマイク(トラウト)をプレーオフで見たいはずだ。勝ちが重なるタイミングは必ず来る」と話していたが、大谷、トラウトの2枚看板だけに頼っていては難しい状況が続くように感じる。

米ニューヨーク在住。陸上、サッカー、ゴルフなどを幅広く取材するフリーライター。45歳。北上市出身。
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