雄星の仲間たち(10) 及川彩子さんのMLBリポート
グリエルジュニア(野手)

「毎試合後、父と電話で反省会をする」
そう話すのは、『パイナップル』のような独特のヘアスタイルが特徴のグリエル。
16歳からキューバリーグでプレーし、2016年にブルージェイズに入団。2018年4月に大リーグデビューをしたが、11試合連続安打で大リーグの新人選手記録を達成するなど非凡な才能を披露している。
父ローデスさんはバルセロナ五輪では金メダルを、10歳年上の兄ユリはアストロズの選手で昨季ゴールデングラブを獲得するなど、野球一家の出身だ。
193センチ、97キロをいう恵まれた体躯で、パワーとしなやかさを兼ね備えたプレーが特徴。打撃だけではなく守備力も高く、状況判断能力がとても高い。
5月中旬以降、打撃が上向きだが「ストライクゾーンを狭めて、ゾーン内のボールを全て振らないようにしている」と話すが、それも父に指摘されたことだ。
父親という強力なサポーターとともに残りシーズンを戦い抜く。
ソラノ内野コーディネーター

「こんなボール取れない」
「試合じゃ、そんな言い訳は通用しないぞ」
春季キャンプ中にゲレロといつもこんなやりとりをしていた。ゲレロが一言いえば、10くらい返す強面コーチなので、最終的にゲレロが大人しく練習をするのがお決まりだった。
ブルージェイズ全チームの内野コーディネーターを務め、ノックや捕球を繰り返し行うドリルなどで守備を鍛える。
モットーは「野球の基本は守備」。
「レベルが異なる選手にあわせた指導方法を心がけている。マイナーでは守備のイロハを、メジャーでは磨きをかけるのが仕事」
ゲレロ、ビショット、ビジオなど現在スタメンで活躍する選手たちをマイナー時代から育て、「選手の活躍する姿を見るのが楽しみ」と目を細める。
ソラノ氏が来ると選手たちがいつもよりも楽しそうに見える。
今日はどこで檄を飛ばしているのだろう。またひょっこり姿を現すのを楽しみに待ちたい。

米ニューヨーク在住。陸上、サッカー、ゴルフなどを幅広く取材するフリーライター。45歳。北上市出身。
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