観測用気球の「油漬け」作業 極地ツイート(48)

冬の南極・昭和基地の風物詩「観測用気球の油漬け」が始まった。一瞬、ぬか漬けや酢漬けを思わせるネーミングだが、低温でも気球を割れにくくするための大事な作業だ。
長さ約2メートルのゴム気球を灯油に漬け込んだ後、むらにならないよう余分な油を慎重に落とす。20~30分乾燥させて作業完了だ。
冬の同基地上空は氷点下70度以下。気球は寒いと硬くなって割れてしまうが、油漬けで防ぐ。「大事なのは真心」と作業する気象隊員の佐藤稜也さん(28)=気象庁、北九州市出身。約60年続く地道な作業が、良質なデータ取得を支えている。
(国際部・菊池健生)
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第63次南極観測越冬隊の活動は、岩手日報本紙をご覧ください。