2022.06.12

特殊環境で探る健康、医療 南極から見るSDGs

越冬隊員の口内から検体を採取する医療隊員の沢友歌さん(左)。南極は医学研究の場でもある=昭和基地
越冬隊員の口内から検体を採取する医療隊員の沢友歌さん(左)。南極は医学研究の場でもある=昭和基地

 南極地域観測隊の越冬生活は、限られた人数で集団生活を送る上、極寒や太陽が1カ月半出ない「極夜(きょくや)」など特有のストレス下にある。これらの環境による身体への影響を分析し、医療の発展や国内外の人々の健康維持に貢献しようという研究が、昭和基地で始まった。

 63次越冬隊(沢柿教伸(たかのぶ)隊長)は口内の細菌の状況を調査。歯科疾患は全身の疾患との関連も指摘されており、新たな予防策につながるか注目されている。

 「じゃあ、頬の内側を採りますね」。医療隊員の沢友歌さん(41)=国立極地研究所、東京都目黒区出身=が、隊員の口内から検体となる粘膜を採取する。ターゲットは唾液や粘膜などにすむ「口腔(こうくう)内常在菌叢(そう)(細菌の群れ)」だ。

 唾液には1ミリリットル当たり約100万~1億個の細菌が生息する。細菌の群れの構成は人によって異なり、通常は安定した状態だが、ライフスタイルや食事の変化で細菌の構成割合が変わることが分かっている。

 (昭和基地=国際部・菊池健生)

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 第63次南極観測越冬隊の活動は、岩手日報本紙をご覧ください。

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