2022.06.01

「吃音も個性、たくましく」 及川彩子さんのMLBリポート

球場で記念写真するスプリンガーとブランドン君(家族提供)
球場で記念写真するスプリンガーとブランドン君(家族提供)

 28日、ブルージェイズのジョージ・スプリンガーが一人の野球少年と再会した。

 「俺との約束を守っているか」

 その言葉に8歳のブランドン君が頷く。

 2人は吃音症という共通点を持つ。

 野球一家で育ったスプリンガーは早くから非凡な才能を見せ、高校では1年生からレギュラーに。しかし吃音を理由にいじめられ、転校や落第を繰り返した。

 大学卒業時にアストロズに入団。

 「大リーガーになってやっと吃音の自分を受け入れられた」

 アストロズ時代にユース吃音協会の大使になり、以来、同じ症状を持つ子供達を支援する。

 元々スプリンガーのファンだったブランドン君は3年前、スピーチセラピーでスプリンガーも吃音症であると知った。そして試合観戦の際に「スプリンガーの大ファン。僕も吃音症なんだ」というサインを持参。それを目にしたスプリンガーがブランドン君に話しかけ二人は出会った。

 母ジェニファーさん(42歳)は「彼のような選手が吃音症の悩みを共有し、子供たちに寄り添ってくれるのは大きな力になる」と感謝する。

 ブランドン君は地元のリトルリーグチームでショートを守る。目標は「スプリンガーのようになること」と話す。

 2人は現在も吃音症を抱えている。

 「つらいこともある。でも吃音も個性。逞しく生きてほしい。約束だ」

 彼らの友情と約束はこれからも続いていく。

及川 彩子(おいかわ・あやこ)さんPROFILE
及川彩子

 米ニューヨーク在住。陸上、サッカー、ゴルフなどを幅広く取材するフリーライター。45歳。北上市出身。

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