2022.05.31

仲間を救う技術磨く 南極days(10)

高さ約8メートルから降下する訓練に励む越冬隊員
高さ約8メートルから降下する訓練に励む越冬隊員

 安全第一の南極での野外活動だが、常に危険は隣り合わせ。観測隊員が遭難するなど事故があった場合、隊内に編成されたレスキュー隊が救助に向かう。昭和基地では非常事態に備えて訓練を実施。私もメンバーの一人として、ロープを使った救助法を磨いた。

 講師は山岳ガイドの越冬隊員、泉秀和さん(52)=兵庫県西宮市出身。座学で基本的なロープワークや、氷の割れ目に人が落ちた場合に活用する引き揚げシステムなどを確認後、屋外で実技訓練に移る。

 高さ約8メートルから垂直に降下する訓練に臨む。午後2時で既に薄暗く、氷点下18・4度。高度感に惑わされず、目の前のロープに集中するが、大きなザックと動きにくい羽毛服でスムーズに降下できない。

 山岳部の経験からロープワークには心得があったつもりだが、知識の浅さを痛感した。降下という動作だけでも、ロープの巻き方を変える、カラビナを活用するなど、同じ目的でも方法はさまざまある。

 「大切なのは、今ある道具を使って何ができるか、考えてみること」。国内で山岳遭難の救助にも携わっている泉さんの実戦的なアドバイスが心に響いた。万が一の事態はない方がいいに決まっているが、やはり備えは大事。応用に耐え得る基本の大切さを再認識した。

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 第63次南極観測越冬隊の活動は、岩手日報本紙をご覧ください。

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