雄星の仲間たち(5) 及川彩子さんのMLBリポート
エスピナル 俊足が武器の二塁手
178センチ、82キロとメジャー選手としては小柄ながら、厳しいレギュラー争いを勝ち抜き、二塁を守る27歳。
開幕以降、俊足を生かし攻撃の起点となって活躍する背番号5は「自信を持って打席に入れている」と胸を張る。「チームメイトは家族みたいなもの。毎日、みんなと野球をするのが楽しくてたまらない。楽しむことが勝利への鍵だ」と自然体を貫く。
ドミニカ出身で13歳の時に家族と米国へ移住。大学卒業後の2016年からレッドソックス傘下のマイナーリーグでプレーし、18年ブルージェイズに移籍。20年にメジャー昇格を果たした。
昨季92試合に出場し3割1分1厘の高打率をマーク。「今季、自分に必要なのは安定感。きっちり仕事をして勝利に貢献したい」と力強く語る。
ジャン(スポーツ栄養士) チームを守る心配り
「水分補給して。電解質もあるよ」。選手が休憩に入ると、声を掛けるスポーツ栄養士のジャンは台湾出身の36歳。腰バッグにはいつも大量に水のボトルが入っている。
「エンジニアとして安定した生活を送ってほしい」と両親に反対されたが、25歳でスポーツ栄養学を学ぶため米国留学。大学院、インターンを経て2019年から現職。
キャンプでは午前4時過ぎにクラブハウス入り。選手の練習メニューから必要な栄養素を分析し、補食やドリンクを準備する。菊池雄星のロッカーにはいつも練習終了時間に合わせて、ベリー風味のプロテインシェイクを用意した。「選手が最高のパフォーマンスをするための体調管理が仕事。選手の母親みたいな存在かな」。心配りでチームを守る縁の下の力持ちだ。
及川 彩子(おいかわ・あやこ)さんPROFILE

米ニューヨーク在住。陸上、サッカー、ゴルフなどを幅広く取材するフリーライター。45歳。北上市出身。
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