岩手日報社発行の文芸誌「北の文学」第84号の優秀作は、滝沢市湯舟沢の中村均さん(42)の小説「たねをまく人」に決まった。

 中村さんの作品は、東日本大震災で家と仕事を失った男性と、被災後に再会した同級生を中心にした物語。逆境の中、人々に希望を与え続ける同級生と、生きる気力を徐々に取り戻す男性の人物像を鮮やかに描き出し、確かな構成力で読ませる力のある作品と高く評価された。応募は5回目で、80号から入選を続けていた。

 84号の応募は小説24編、文芸評論2編だった。事務局の予備選考を通過した小説9編、文芸評論1編を最終候補として選考会を開催。編集委員の鈴木文彦さん(東京都、盛岡市出身)、久美沙織さん(長野県、盛岡市出身)、大村友貴美さん(横浜市、釜石市出身)の合議により優秀作1編と入選作4編を選んだ。

 優秀作には賞状と賞金10万円が贈られ、入選作とともに5月発行の「北の文学」84号に掲載される。入選作は次の通り(敬称略)。

 ◇小説▽「フェイタルコミュニケーション」谷村行海(26)=横浜市、盛岡市出身▽「万媚挽歌」大沼勝雄(88)=盛岡市▽「ラメトク」中村祥子(58)=大船渡市▽「私は」東野正(69)=盛岡市