新トレ@平野組

営業担当者ら9人が研修

さまざまな記事を読みながら記事に対する意見や感想を伝え合う参加者=一関市

 一関市を拠点に東北全域で事業展開する平野組(須田光宏社長)は同市内でこのほど、岩手日報社のNIB講座「新トレ(新聞トレーニング)」による人材育成研修を実施した。同社営業担当者ら9人が参加。新聞を活用して情報を短時間で効率良く収集するコツやコミュニケーションに生かす方法などを学んだ。

 講座は岩手日報社社員が講師を務め、昨年12月から3月まで3回開催。参加者は期間中の3カ月間、岩手日報を講読した。

 1、2回目の講座では、忙しい朝でも効率的に情報を集められるように、見出しと第一段落を中心に紙面全体に目を通す「10分読み」を実践。その後、2人一組で興味を持った記事について説明し、意見を交わした。勤務地も年齢もばらばらだが「記事を通して同僚の意外な一面を知る機会にもなった」と盛り上がった。

見出しや第一段落に目を通しつつ、短時間で効率よく情報を収集する参加者

 自宅や職場では記事のスクラップブック作りに取り組んだ。気に入った記事を切り抜くほか、「酒」「車」「子どもの教育・医療」など興味関心があるテーマに沿って関連記事も収集した。

 日常にあふれる情報の中から必要な情報を選び取り、価値判断し、見える形で保存する作業を繰り返す中で意識や視点の変化も実感。「ただ読むのと欲しい情報を探すのとでは読む意識が変わった」「記事と記事のつながりに気付くようになった」などの声が聞かれた。

 3回目の講座では、記事の構成を参考にイベント広報文の書き方について解説。講師は「事業の社会性や時事性をしっかり伝えること。目的や目新しさをシンプルに表現する工夫が大切」とアドバイスし、参加者はうなずきながら聞き入っていた。

 4月に入社予定の盛岡大文学部伊藤健吾さん(22)は「どこで何が起こるか分からない時代、地域の情報を得るために地方紙を有効に使いたい。社会人として他の新聞も読み比べつつ、自分の考えを深めたい」と話していた。


地域に寄り添うために

総務部長兼経営企画室長 益子善生さんに聞く

 岩手日報社のNIB講座を人材育成研修に取り入れた平野組総務部長兼経営企画室長の益子善生(ましこ・よしき)さん(47)に、受講の狙いや新聞への期待について聞いた。

(聞き手 NIE・読者部 小野寺陽子)

「多様な情報を判断し分析する過程で、考える力や判断力を磨いてほしい」と話す平野組総務部長兼経営企画室長の益子善生さん=一関市

-講座受講の狙いは。

 「インターネットでの情報収集が当たり前になる一方、情報が個人の興味関心に偏ることが、視野の狭さにつながらないか心配な面がある。新聞を読む習慣を付けてもらい、幅広い情報収集力や会話力を身に付けてほしい。お客さまとのコミュニケーションにも役立つと期待している」

-自身は新聞とどう向き合ってきたか。

 「営業部門への配属を機に毎朝、新聞を読む習慣が付いた。人としてお客さまに信頼していただくためには地域の情報を知り、相手の立場で考える姿勢が不可欠だ。東日本大震災の1年後に釜石営業所に着任した際、地元に寄り添った岩手日報の記事を読み込むことで被災地の現実や人々の思いを知り、地域の一員として何ができるかを考えた」

-新聞の魅力と可能性は。

 「多様な情報に触れられるのは大きな魅力。自分なりに価値判断し分析する過程で判断力が磨かれる。今後はデジタル版の改良など、より読者目線に立って読みやすくしてほしい。いつでも読めて記事の保存もできる機能はデジタルならではのメリット。アナログとデジタル、双方の良さを充実させる工夫を期待したい」

-今後にどう生かす。

 「新聞を読む習慣は視野を広げ、生活を豊かにし、新しいアイデアが生まれる素地をつくる。速さと検索力で勝るインターネットと、信頼度の高い情報や地域ニュースを幅広く知ることができる新聞を組み合わせて情報を収集し、地域発展のために力を尽くしたい」


一目で分かる社会の動き・佐々木貴大さん

 普段、ニュースを確認するのはインターネットで、集めた情報は自分の興味がある分野に偏っていた。新聞を読んでみると、見出しや記事の配置によって社会の動きが一目で分かる。読んだ記事の隣にいつもなら触れることがない情報を見つけることもあり、新鮮だ。地元の選挙や企業の詳しい情報を知ることができるのも地方紙ならでは。日常に取り入れていきたい。

増やせる話題の引き出し・鈴木陵さん

 岩手日報は日々の仕事で必要な情報を拾うための義務感から読んでいた。自分の興味がある分野を自由に楽しく読むことができるし、記事を読みながら長期的な視点や意見を磨くこともできると知った。講座を受けて新聞の見方が変わったら、得られる情報も変わった。話題の引き出しを増やしてお客さまとのちょっとした会話に生かしたい。

情報活用しアンテナ高く・小倉征也(せいや)さん

 地域ごとに整理された記事は読みやすく、生活に必要な情報を効率的に収集できるのが新聞の良いところ。取材をもとにした記事は正確で偏りが少なく情報源として重宝している。一方でインターネットの速報性と情報量も魅力。新聞とネットの特長を踏まえて情報をうまく活用し、アンテナの高いビジネスマンを目指したい。

多彩な記事で広がる視野・鎌田靖彦さん

 これまでは仕事に直結する業界紙のみを読んでいたが、岩手日報の多彩な記事を読み視野の広がりを感じた。記事スクラップは意識的に情報を探すこと、自己の内面と向き合うことにつながり、新しい考え方にも触れる機会になった。記事を通して意見を伝え合う中で、同僚の違う一面や個性を発見することもでき、さまざまな楽しみ方ができた。

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