2022.03.03

越冬隊員、4畳半の城 南極days(5)

机に家族写真を飾る高木佑輔さん
机に家族写真を飾る高木佑輔さん

 南極地域観測隊の越冬隊員は「居住棟」に個室が与えられる。4畳半ほどの部屋に備え付けられているのは、ベッドと机、小さなクローゼット。隊員たちは工夫しながら、安らぎの空間をつくっている。

 「ただ寝るだけの場所」と笑いつつ、机に張った家族写真を見つめるのは、設営主任の高木佑輔さん(35)=ヤンマーパワーテクノロジー、兵庫県尼崎市出身。妻秀嘉(しゅうか)さん(39)、長男海李(かいり)君(8)、次男晴大(せいた)ちゃん(5)が笑う。重責と多忙な基地生活だが「これが日々の癒やし」と照れくさそうに頭をかいた。

 設営隊員の桜庭健吾さん(26)=日立製作所、茨城県日立市出身=の机上で存在感を示すのは、祖母久子さんが作ってくれた梅干しの瓶。「疲れたときに食べようと思う」と大切そうに瓶を抱えた。

 隊員が暮らす第1居住棟(1997年建設)、第2居住棟(98年建設)は高床式。みんなで食事やだんらんするのは管理棟で、個室は休息のほか、1人で仕事に集中できる場でもある。

 沢柿教伸(たかのぶ)越冬隊長(55)=法政大、富山県上市町出身=は、パソコン作業などがはかどるよう、お手製のスクリーンとプロジェクターを設置。「手を伸ばせばどこに何があるか分かるくらい、物の置き場所は決めている」とこだわる。

 1年を快適に過ごすため工夫する隊員たち。取材を終え、少しは自室を整えようと思い直した。

祖母が作った梅干しを見つめる桜庭健吾さん
お手製のスクリーンを設置した沢柿教伸越冬隊長
 
他の隊員を見習って部屋を整えた菊池健生記者(右)

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 第63次南極観測越冬隊の活動は、岩手日報本紙をご覧ください。

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