2022.03.22

工夫重ね快適な入浴 南極days(6)

湯船で談笑する岩本勉之さん(左)と溝口玄真さん。風呂は越冬隊員同士の交流の場でもある
湯船で談笑する岩本勉之さん(左)と溝口玄真さん。風呂は越冬隊員同士の交流の場でもある

 南極でも風呂が楽しめる。野外観測小屋やテント生活中は無理だが、昭和基地ではほぼ毎日、入浴可能。そんな観測隊員の「極楽、極楽-」を支えるため、隊員が努力や工夫を重ねるのも極地生活ならではだ。

 浴槽は3人程度で漬かることが多いが、多少無理をすれば5人は入れる広さ。シャワーも三つ備える。渇水などで節水が必要なとき以外は24時間利用可能だ。

 63次越冬隊の溝口玄真(げんま)さん(25)=名古屋大宇宙地球環境研究所、岐阜県大垣市出身=は「南極で立派な風呂に入れることに最初は驚いた。除雪や外での作業の後に入れば、芯から温まる」とリラックスする。

 壁には富士山の絵が飾られ、銭湯気分も満喫できる。62次越冬隊の調理隊員、浜谷内(はまやうち)健司さん(44)=北海道函館市出身=が昨年、ペンキで描いた。観測船しらせや艦載ヘリも描かれた絵のタイトルは「一富士、二ヘリ、三しらせ」。奥行きが限られた空間に広がりを与える。

 風呂の仕組みはエコそのもの。浴室は発電棟2階にあり、湯は発電機の排熱で沸かす。雪解け水の造水は貴重で、循環式で節水。ろ過フィルターや殺菌装置を使って水質を保つ。

 月に1度は機械隊員や有志が集まり、浴槽と配管を隅々まで清掃。高圧洗浄機で一気に落とした後、新品のフィルターに交換する。

風呂の配管を掃除する機械隊員や有志

 

◇      ◇

 第63次南極観測越冬隊の活動は、岩手日報本紙をご覧ください。

定期購読申し込み・ご案内

岩手日報本紙電子新聞

関連リンク