気が付いたら、ファンになっていた。取材を続けて4年。ひたむきに努力を重ねてきた子どもたちや関係者と、悲願達成の喜びを共有した。

 全国大会で過去4度、準優勝の悔しさを味わってきた遠野一輪車クラブスポーツ少年団のチーム「Salto(サルト)」がついに初優勝をつかんだ。

 私は一輪車に乗れないし、競技の予備知識も持ち合わせていなかった。それゆえ、初めて取材した2018年から、純粋な気持ちで競技やチームに向き合うことができた。

 日が落ちた体育館に集い、練習に励む選手たち。後輩たちの活躍を願って市内外から指導に駆け付けるOBやOG。衣装作りや音楽選定、会場送迎などサポートする保護者。全ての人が「ワンチーム」に結束し、全国の頂点に立った。

 この2年間は新型コロナウイルス感染症に振り回され、目標とした20年大会は中止に。気持ちが切れてもおかしくない環境だが、サルトの高校生メンバーは違った。限られた時間内で練習に集中し、後輩の指導にも熱を入れた。

 21年大会の開催と最高の結果は、関係者の絆と熱意が必然的に引き寄せたと思える。逆境が人を成長させる。追ってきた高校生たちの姿が、人生に関して多くを学ばせてくれた。

(小野寺隼矢)