2022.02.02

ゴンドワナ超大陸の謎に迫る 露岩域で地質調査

ハンマーを使い、岩石のサンプルを採取する加々島慎一さん=南極大陸・ベルナバネ
ハンマーを使い、岩石のサンプルを採取する加々島慎一さん=南極大陸・ベルナバネ

 【南極大陸で報道部・菊池健生】第63次南極地域観測隊(牛尾収輝(しゅうき)隊長)は、南極大陸の露岩域ベルナバネで地質調査を行った。約5億年前の大陸同士の衝突跡が残るとされるエリアで、ベルナバネに地質調査が入ったのは初めて。現在の岩手県沿岸南部も含む「ゴンドワナ超大陸」の形成過程やそれ以前の大陸の動き解明につなげようと、夏隊員3人が岩石を調べた。

 昭和基地の南西約100キロの狭い露岩域。静寂の世界に採取する岩石を割るカーンという音だけが響く。岩の断面を見た加々島(かがしま)慎一山形大学術研究院准教授(48)=長野県松本市出身、岩石学=は、内部の風化や変質が進んでいないと確認し「すごくフレッシュな岩だ」と表情を緩めた。

採取した岩を背負い氷上を歩く観測隊員。ザックの重さは30~40キロもある

 馬場壮太郎琉球大教授(53)=北九州市出身、地質学・岩石学=と、中野伸彦九州大大学院准教授(44)=兵庫県高砂市出身、岩石学=もサンプルを採取。岩を入れたザックの重さは40キロにも達する。

 岩から分かるのは、南極大陸の成り立ちだ。調査エリアは約5億年前に大陸同士が衝突した際、地下深部にあった岩が露出した場所。現在の南極やアフリカ、オーストラリア、南米の大陸などがまとまったゴンドワナ超大陸の時代で、日本隊は近年、セールロンダーネ山地など南極大陸で集中調査している。

 ゴンドワナ超大陸は岩手県沿岸南部の「南部北上帯」ともつながる。化石からもともと赤道近くの低緯度に堆積した地層と考えられ、ゴンドワナの北縁付近から北上したとされる。

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