2022.01.19

最古級氷掘削へ準備着々 データ収集、作業終了

雪上車にアンテナを取り付け、レーダー観測を行う雪上車(国立極地研究所提供)
雪上車にアンテナを取り付け、レーダー観測を行う雪上車(国立極地研究所提供)

 【昭和基地で報道部・菊池健生】気候変動の将来予測に役立てることを目指し、世界最古級の氷の深層掘削の準備をする南極地域観測隊のチームは18日、南極大陸内陸のドームふじ基地(標高3810メートル)周辺での調査と作業を終え、帰路に就いた。新たな掘削点の選定に向け、氷床の内部構造の把握や氷の厚さの計測に成功した。

 チームは62、63次隊員計11人で構成。昭和基地との定時交信などによると、レーダー観測のためにアンテナを組み立てて設置した雪上車で、基地周辺を調査。6日半かけて計約700キロを走行しデータを集めた。

 昭和基地と約千キロ離れたドームふじ基地への遠征は今季2往復目。5日に到着し、17日までに観測と作業を終えた。2月上旬には昭和基地近くの大陸上の拠点「S16」に到着する予定。

 レーダー観測を担当している63次夏隊員の津滝俊さん(40)=国立極地研究所、長野県大町市出身=は「観測は順調に進んだ。最後まで気を抜かずに頑張りたい」と語った。

 南極の氷床の厚さは3千~4千メートル。氷中には過去の大気成分や物質が含まれている。垂直に掘って氷の柱「アイスコア」を採取、分析すると過去の気候変動史を復元できる。

 日本隊はこれまで、72万年前までの情報が記録された3千メートル超のアイスコア採掘に成功。次は80万年超の採掘を目指しており、2024年からの本格掘削に向けて今季は、物資輸送や調査などを展開している。

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