2022.01.15

心臓部維持へ慎重作業 昭和基地、発電機オーバーホール

オーバーホールしたディーゼル発電機の動作をチェックする柳沢聡さん(右)と高木佑輔さん=12日、南極・昭和基地
オーバーホールしたディーゼル発電機の動作をチェックする柳沢聡さん(右)と高木佑輔さん=12日、南極・昭和基地

 【昭和基地で報道部・菊池健生】第63次南極地域観測隊(牛尾収輝(しゅうき)隊長)は、昭和基地の電力の大部分を賄うディーゼル発電機のオーバーホール作業を進めている。約26年使った重要な部品を初めて交換。基地の「心臓部」を維持するため、設営隊員たちは慎重に作業している。

 「回します」。発電棟で12日、63次越冬隊員の高木佑輔さん(35)=ヤンマーパワーテクノロジー、兵庫県尼崎市出身=が声を掛ける。エンジン起動-。少しの間を置き、けたたましい爆音が響いた。

 今回のメイン作業は、動力を発電機に伝える「クランクシャフト」の交換だった。エンジンの軸となる重要な部品で、37次隊が発電機を稼働して以来、初めて実施。隊員らは緊張感を漂わせながら、確認作業を進めた。

 試運転は無事終了。63次夏隊員の柳沢聡さん(43)=ヤンマーエネルギーシステム、福岡市出身=は「バックアップがない南極での作業は、失敗が許されない。無事にヤマ場を越えられ感無量だ」と表情を緩めた。

 昭和基地には再生可能エネルギーの発電設備もあるが、主力は2台の発電機。1台当たりの1時間の発電量は240キロワットで、500時間ごとに交互に運転している。電力だけでなく、暖房や雪を溶かして造水するために排熱を利用する。63次隊は1号機のオーバーホールを実施。2号機は65次隊で行う見込みだ。

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