2022.01.13

地球感じた氷河の暮らし 南極days(3)

ラングホブデ氷河上で観測する隊員たち。チームは1カ月半、テント生活を送る
ラングホブデ氷河上で観測する隊員たち。チームは1カ月半、テント生活を送る

 南極大陸の氷河上で、12日間過ごした。当初は3日間の予定だったラングホブデ氷河への滞在が、ヘリの運航計画変更で延長。年をまたいだ長期の氷上生活となった。野外の寒さに多少苦しんだが、観測のための「衣食住」は整っており、思い出深い場所となった。

 活動拠点は、ベースキャンプ中央に設けられた広い食堂テント。チームの7人が入っても圧迫感を感じない。食事、ミーティングのほか、デスクワークもできる。発電機が強い味方だ。

 テントは1人1張りずつ。断熱マットを3枚重ねた上に厳冬期用の分厚い寝袋で眠る。テント内の気温は氷点下近くまで下がっても寝袋の中は暖かい。ぬれた物も中に入れて寝れば、朝までには乾いてしまう。

 生活用水は雪解け水ならぬ「氷河解け水」。手を数秒浸しただけで感覚がなくなるほど冷たい。試しに頭を水洗いすると一気に目が覚めた。もちろん、そのまま飲める。長い年月をかけて降り積もった氷床から、ゆっくりと海へ流れていく氷河の恵みを頂いた。

 長く過ごすと慣れて快適に思えるが、氷河上は危険も隣り合わせ。キャンプ周辺には氷の裂け目「クレバス」が無数に走り、落ちれば大けがにつながる。雪が積もると見分けが付きにくくなるため、足元には常に注意して歩いた。チームは1月下旬まで約1カ月半、テント生活を送る。

 氷河上は生物の気配が感じられない静寂の空間だった。自分が立っている氷も、やがて氷山となり、海へとかえる。広大な白い世界で、長大な地球の営みに溶け込んでいるような感覚になった。

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