2022.01.01

極地、未来照らし続け

午後10時46分から午前0時31分まで15分おきの太陽と、定着氷に接岸した観測船しらせ。夏の南極では太陽が沈まずに昇っていく=昭和基地沖(報道部・菊池健生撮影、写真9枚比較明合成)
午後10時46分から午前0時31分まで15分おきの太陽と、定着氷に接岸した観測船しらせ。夏の南極では太陽が沈まずに昇っていく=昭和基地沖(報道部・菊池健生撮影、写真9枚比較明合成)

 2022年が幕を開けた。岩手から遅れること6時間。南極・昭和基地で拝めるのは初日の出ではなく「沈まぬ太陽」だ。

 南極は、ありのままの地球の姿が見られる場所だ。遮るものなく続く南極大陸の白い氷床、花や木がないむき出しの露岩域、ヨチヨチ歩く愛らしいペンギン―。雪は氷床となり、やがて氷山として海にかえる。長大な時間で営まれる自然を体感。往路のしらせではオーロラを撮影し「宇宙の窓」も実感した。

 昭和基地は29日、開設65周年を迎える。気候変動解明につながる「アイスコア採掘」のほか「オゾンホール」「大量の隕石(いんせき)」「コケボウズ」など多くの発見を重ねてきた。

 地球の環境センサーとしての役割は高まる一方だ。世界各地で気温や海水準の上昇、異常気象が現実の危機として現れている。環境問題は曖昧な概念ではなく、科学的なデータに基づいた「真実」が不可欠。不確かな自然現象を確実に捉えるため、極地では人類が共生していくためのデータ取得が地道に続く。

 南極が鳴らす警鐘は、1万4千キロ離れた岩手ともつながる。南極で見られる生命の輝きは県人の活躍と重なる。北国岩手と極寒の南極での挑戦は、今年も熱く繰り広げられるだろう。持続可能な未来のために。

 (報道部・菊池健生)

関連リンク