【東京支社】文部科学省は30日、2022年度予算の概算要求を発表し、国際リニアコライダー(ILC)関連で計4億8千万円を盛り込んだ。21年度当初予算と同額。コスト削減に向けた研究開発を米国やドイツ、フランスと共同で一層推進する。

 加速器の基盤技術開発関連費用として3億2千万円を計上した。高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)と米フェルミ研究所(FNAL、シカゴ)が中心となって取り組んできた、加速器の主要設備となる超伝導加速空洞の性能向上に向けた研究などを深める。

 KEKの運営費交付金としてはILC関連として21年度当初予算と同額の1億6千万円を盛り込んだ。世界の主要な加速器研究所の所長らでつくる国際将来加速器委員会(ICFA)の国際推進チームは22年のILC準備研究所設立へ動いており、KEKが主導している。

 ILCは宇宙創成の謎に迫る素粒子物理学の巨大実験施設。岩手、宮城両県にまたがる北上山地(北上高地)が科学的な検討などを経て最有力の建設候補地とされている。欧米の研究者コミュニティーは日本での実現を支持する姿勢を示しており、日本政府は誘致の可否を検討している。