新型コロナウイルスの流行が続く重苦しいムードにあって、地域を盛り上げようと奮闘する住民に天が味方した。

 7月末に普代村で開かれた「音楽の広場2021」は「次の世代へキセキ、繋(つな)げる」と題し、東日本大震災津波から村を守った普代水門のライトアップや犠牲者の鎮魂を祈る打ち上げ花火を企画した。

 ところが、開始前の天候は雨。「何とか花火は上げられるだろうか…」と不安げな表情で回復を祈る実行委メンバーと同じ思いで、空を見上げた。

 「音楽の広場」の初開催は、私が久慈支局に着任した昨年秋。その際には大雨の中でイベントを繰り広げた。最後までやり遂げた関係者の熱い思いに胸を打たれた半面、「天気が良ければ」と無念さもこみ上げた。

 そして今回。商店街メンバーや普代中吹奏楽部などが楽器演奏で盛り上げる中で日没後のフィナーレが迫る。駄目かと覚悟したが、何と花火の直前になって雨がやんだ。

 暗闇の中で、水門が5色の光に彩られ、その上空に描かれる華やかな大輪。マスク越しでも来場者の笑顔を確認できた。開催準備に尽力した実行委員長の中村耕平さん(30)の表情も晴れやかだった。

 まさに、念ずれば通ず。「必ず俺たちが普代を盛り上げる」と一点の曇りもない関係者の思いに応えるべく、より一層地域を駆け回りたい。

(高橋康)