東京五輪2日の体操男子種目別跳馬の決勝。フィリピン代表のカルロス・ユーロ選手(21)を、地元選手を応援するような気持ちで見つめた。同国体操界の新星を親元から預かり、日本で育てたのが、盛岡北高出身の釘宮宗大(むねひろ)さん(37)だからだ。

 「まずはつり輪と鉄棒のクモの巣取りから始めました」。8年前、釘宮さんが派遣コーチとして同国を訪れた時の話を思い出した。見栄えのいい五輪のステージとは裏腹の現実。その前はスリランカで指導し「才能があっても、環境に恵まれずに葛藤する子どもたちを見た」ことで指導者としての覚悟を決めた。

 盛岡北高関係者を中心に応援する会も発足し、取材の最後に「岩手には感謝しかない。必ず顔を出します」と話してくれた。

 3年後のパリへ、タッグの継続は正式に決まっていないが、これからも異国ながらカルロス選手の活躍が楽しみだ。そして、2人の挑戦と五輪の存在が、途上国のスポーツ環境を前進させる契機となることを願いたい。

(報道部・金野訓子)