「ついに、ついに、ついに」

 「いやー、長かった」

 7月末、一戸町の御所野遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録された。オンラインで世界遺産委員会の審議を見守っていた関係者の興奮や、思わず声を詰まらせる姿に、こみ上げるものがあった。登録後は「縄文スイーツ」など関連商品も登場し、わくわくしながら取材を重ねている。

 御所野遺跡はかつて畑が広がり、雨が降った次の日は矢尻や土器片が土の上に顔を出し、子どもたちが拾いに訪れていたという。身近にあったがゆえに、地元の人たちの「あんな畑が世界遺産になるのか」といった声もあったと聞く。

 そうした中でも、ボランティアらは、整備やガイドなど、さまざまな面で協力を惜しまなかった。登録実現は、そうした多くの方々の努力の積み重ねのたまものでもある。

 8年前、文化欄での連載企画取材で「縄文遺跡群」を構成する青森県などの8資産を訪ねた。各遺跡とも特色があり奥深かったが、自然の中に縄文世界が広がる御所野の魅力も再確認した。

 県の緊急事態宣言を受け、御所野縄文博物館と公園は31日まで臨時休館中。新型コロナウイルス禍が落ち着き「縄文文化を体感しに来てほしい」と言える日が待ち遠しい。

(阿部友衣子)