【本紙特派員・細川克也】いつも大きな声援を送ってくれる本拠地のファンの前で新たな伝説をつくった。エンゼルスの大谷翔平が憧れの大打者、松井秀喜の記録をついに抜いた。日本選手シーズン最多の32本塁打。登板翌日の疲れを感じさせないパフォーマンスで、豪快なアーチを右翼席に突き刺した。

 前日に7回89球を投げて勝利投手になった選手が、当たり前のように打席に立ち、きっちり結果を出す。記録更新は驚異のハイペース。松井が162試合でマークした31本塁打を半分の81試合目の打者出場で抜き去った。常識では計り知れない投打の「二刀流」の底力に驚くばかりだ。

 歓喜の瞬間は五回に訪れた。先頭で迎えた第3打席。内角を突いてくる左腕ロドリゲスの投球に自打球を2度も当てた。痛みを忘れるように集中力を高める。2ボール2ストライクからの7球目。内角のチェンジアップを鋭く振り抜いた。

 憧れの存在の松井から「真の長距離打者」と称賛されたことを伝えられると「素直にうれしい」と口元を緩め、「まだまだ打てるように、期待に応えられるように頑張りたい」と決意を示した。日本人初の本塁打王も夢ではない。松井を超えた7月7日、背番号17の新たな挑戦が始まった。