文部科学省の国際リニアコライダー(ILC)に関する第2期の有識者会議(座長・観山(みやま)正見岐阜聖徳学園大学長、委員14人)は29日、初会合を開いた。ILC計画の最新動向や課題を整理し、年内から本年度内をめどに意見を取りまとめて政府に示す。

 委員ら約20人がオンラインで参加。ILC計画を巡る近年の動向や課題の取り組み状況を確認した。

 今後、国際推進チームによる準備研究所の提案書や、高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)などがまとめた課題の取り組み状況を踏まえ▽国際的な経費分担の見通し▽国民や科学コミュニティーの理解▽技術的に建設可能であることの明確化▽コスト見積もりの妥当性-などを検討する。同チームやKEKの代表者らにも説明を求め、最新情報を反映する。

 同会議は第1期(2014~18年)に、国内誘致を巡る政府の判断材料として、全体像や課題を指摘した報告書をまとめた。その後、国内外で建設準備の動きが加速したため議論を再開した。

 観山座長は「巨額費用を要する国際事業で、費用の分担、卓越した人材の確保、国民からの支援が乗り越えるべき課題と考える。真摯(しんし)に議論し、現状を整理していきたい」と話した。

 ILCは宇宙創成の謎に迫る素粒子物理学の巨大実験施設。岩手、宮城両県にまたがる北上山地(北上高地)が建設候補地とされ、政府は現在、国内誘致の可否について検討を続けている。