2021.07.28

台風8号、本県を通過中 厳重な警戒を呼び掛け

冠水により通行止めとなった県道=28日午前8時45分、陸前高田市米崎町
冠水により通行止めとなった県道=28日午前8時45分、陸前高田市米崎町

 台風8号は28日午前6時前、宮城県石巻市付近に上陸し、本県を通過している。盛岡地方気象台は、県内では昼過ぎにかけ大雨による土砂災害の恐れがあるとして厳重な警戒を呼び掛けている。

 県内の1時間降水量の最大値は同日午前10時時点で、陸前高田40・5ミリ、山田37・5ミリ、宮古・川井34・5ミリなど。29日午前6時までに予想される24時間降水量は多い所で100ミリ。

 同気象台によると、28日夕にかけ河川の増水や氾濫、竜巻などの激しい突風への注意も必要だ。

 台風8号は中心気圧994ヘクトパスカルで時速25キロ。今後、日本海に進み、同日夜までに温帯低気圧に変わる見込み。

 県によると、28日午前6時現在、宮古市が「避難指示」、花巻、一関、陸前高田、大船渡、釜石、久慈、住田、山田、野田の9市町村が「高齢者等避難」を発令。自主避難を含め、14市町村の188カ所に計572人が身を寄せている。

 交通各社によると、JR釜石、大船渡線の全線と山田線上米内-宮古間で、始発から一部列車の運転を見合わせた。三陸鉄道は宮古-盛間で運行を休止中。新幹線は平常ダイヤ、花巻空港発着の飛行機も通常運航する予定だ。

 東北電力ネットワーク岩手支社によると、27日夜から翌朝にかけ、風雨や落雷のため奥州市水沢黒石町、大船渡市三陸町、釜石市甲子(かっし)町などで最大660戸が停電し、復旧した。

 陸前高田市では各地で側溝から水があふれた。市などによると、同市米崎町の県道大船渡広田陸前高田線は冠水のため28日午前8時半ごろから通行止めとなり、関係者が近くの交差点を封鎖した。

 昨夜から避難所に身を寄せた同市高田町の菅野浩子さん(79)は「家の裏山が崩れるのではと不安だった。近年はいつどこで土砂災害が起きるか分からない。『空振り』くらいがちょうどいいと思い、早めに避難した。新型コロナウイルス対策のためおしゃべりはなく静かな夜だった。家に1人でいるより安心して過ごせた」と振り返った。

 釜石市甲子町の甲子小体育館で一晩を過ごした、同市甲子町の菊池勝子さん(83)は「一晩中すごい雨の音だった。川が近い家の方も心配で少しも寝られなかった」と振り返った。

 花巻市大迫町内川目の内川目振興センターでも6人が避難し一夜を明かした。久出内(ひさでない)地区の自営業伊藤政男さん(77)は「早池峰ダムの上、山の谷間に流れる川沿いの集落に家がある。全国の災害を見ると人ごとではない。何もなく帰れることが一番ありがたいのだが」と、不安げにテレビのニュースに見入った。

 東北の太平洋側への台風上陸は1951年の統計開始以来2例目で、宮城県へは初めて。2016年8月30日には、台風10号が大船渡市付近に上陸している。

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