競泳女子400メートル個人メドレーで五輪初出場の25歳、大橋悠依(イトマン東進)が4分32秒08で優勝し、競泳の日本勢として男女を通じ、今大会初のメダルを獲得した。「過酷」と称されるこの種目を、日本勢が制したのは初めて。

◇         ◇

 大輪の花を咲かせた。「とにかく自分を信じて泳いだ」。盤石のレース運びだった。バタフライで3位につけ、得意の背泳ぎで先頭争いに加わった。

 圧巻だったのは後半の2種目だ。強化してきた平泳ぎ。ターンの後に大きく伸びてトップに出ると、後続を引き離して体一つ以上の差をつけた。最後の自由形ではギアチェンジ。しなやかさと強さを兼ね備えたキックでスパートをかけた。

 最終盤に追い上げられたものの、これは想定内のこと。危なげなく逃げ切った。プラン通りの快勝。4分32秒08は今季の世界最高タイムだった。

 大会直前まで調子が上がらなかったという。重圧に襲われ、苦しんだ。「間に合わない」と涙を流したこともある。決勝レース直前になっても不安は消えなかった。

 それでも、平井伯昌監督に言葉をかけられ「行くぞ、という気持ちになった」。最後の最後に女子のエースが戦う姿勢を取り戻した。

 故障や貧血に苦しみながらも、こつこつと積み重ねてきた努力。それは大橋に着実な進化をもたらし、金メダルに結実した。

 「まだ夢みたいだが、泳いでいて楽しくて、それが本当に自分が水泳をやっている全て」。表彰式では身も心も解き放たれたよう。晴れやかな笑顔になった。(共同通信社)