新トレ@テクノス

情報収集、ノウハウ習得

 北東北の高速道路の維持修繕業務などを担うテクノスグループのテクノス(鈴木裕司代表取締役社長、本社盛岡市)はこのほど、社員研修の一環として、岩手日報社のNIB講座「新トレ(新聞トレーニング)」を取り入れた。情報収集の仕方や会話への生かし方など、日常業務に使えるノウハウを習得した。

スマートフォンに撮りためた記事をもとに、自身の関心や社会への意見を伝え合う受講者

 3回続きのプログラムで実施。テクノス本社研修室で行われ、グループ傘下2社の社員を含む10人が受講した。岩手日報社の社員が講師を務め、短時間で情報を得るための新聞の読み方から、コミュニケーションへの生かし方、伝わる文章の書き方まで、日常に使える新聞活用術を紹介した。

 2回目の講座が行われた8日のテーマは、情報を読み取るコツとその使い方。見出しとリード文を中心に広く浅くニュースに触れる「10分読み」から取り組んだ。

 参加者は「労災認定の基準見直しのニュースは仕事にも関わってくるので気になった」「子どものゲーム障害は、わが家も人ごとではないとはっとさせられた」など、それぞれの視点で感想を発表。講師は「日々のニュースは社会のどこかで関連している。朝に情報を仕入れる習慣を付けると、仕事の広がり方が違う」と、朝に新聞を読むメリットを説明した。

 続いて、仕事に生かせる経済欄や社会面、地域の話題に触れられる地方欄など、面ごとの特徴について説明。知りたいニュースのカテゴリーを意識することで、より効率的に情報を見つけ出すコツを学んだ。

 切り抜き記事を介して自身の関心を伝え合う「1分プレゼン」では、ニュースと自分の意見を会話に盛り込むアウトプット術を参加者が実践。本紙の声欄に寄せられた夫婦別姓に関する読者投稿について講師が意見を求めると、「同姓に統一すると氏名変更に手数料がかかる資格もありデメリットが多い」「同姓なら子の姓で悩まなくても良い」などと多様な意見が交わされた。

 講師は「多様な選択肢を考えさせるのが新聞の役割の一つ。意見や価値観の違いを大切にする姿勢を身につけるきっかけにしてほしい」と呼び掛けた。


読む習慣で感性豊かに

鈴木秀司専務一問一答

 テクノスの鈴木秀司代表取締役専務にNIB講座を受講した狙いなどを聞いた。

(聞き手=NIE・読者部 鈴木弘樹)

「新聞の正確な情報と活字に触れ続けることは、人材育成と社の発展に直結する」と話す鈴木秀司専務

-新聞トレーニングを研修に取り入れた理由は。

 「スマートフォンなどを通じて欲しい情報が手軽に手に入る時代になったが、フェイクニュースなどが混在し、誤った思想や行動に誘導されかねない。新聞は公正な視点に基づく情報の正確さが最大の利点。テレビやラジオとは異なり、聞き漏らしや聞き間違いも生じない。活字を通じて情報を伝達する新聞は確実に情報収集できる。私たちにとって労働基準法などの各種法令や許認可、作業手順書などの理解は適切な業務遂行に不可欠で、活字に慣れ親しむことが重要。地域や社会を知り、自分の仕事に誇りを持って社会貢献するためにも、新聞トレーニングは効果的な研修になると考えている」

-参加しての感想は。

 「『新聞は記事をすべて読む必要はない』とのお話が、分かりやすいと感じた。私も最初は分厚い朝刊と細かい記事を読むのがしんどく感じられたが、見出しを手掛かりに経済や地域、業界の情報など興味深いものを読み進めることで、効率的な読み方が身に付いた。新聞を読むことが習慣化できれば、豊かな感性が磨かれることを若い社員に伝えたい」

-自身と新聞の関わりについて。

 「岩手日報は幼い頃から自宅にあり、社会人になると新聞からの情報収集が欠かせないものになった。お客さまとのコミュニケーションの際、真っ先に朝刊の話題となることが多いが、それだけ新聞に信頼を置いている方々が多い証拠でもあるだろう。新聞、インターネット、テレビなどの媒体にはそれぞれ強みと弱みがあり、その特性を認識した上で、組み合わせながら情報収集するように心掛けている」

-テクノスはどのような会社か。目指す社員像は。

 「東日本大震災の経験から、物資を運ぶ道路の役割は大きく、特に高速道路は国民の生活に不可欠なインフラ。われわれはその機能を保持する使命を担う。テクノスグループ不変の指針は『安全は家族の安心から』。常に安全を最優先させ、家族を安心させられるような業務、行動を社員に求めている。関係法令や作業手順を深く理解し、不安全行動を見逃さず、自らを高める心を忘れない社員に成長してもらうことが、企業グループ発展の原動力になるだろう」


普段の会話に生かしたい・小田唯斗さん

 サービスエリアなどの清掃員の皆さんをまとめる立場。新聞をよく読む方が多く、新型コロナ関連や東京五輪の本県関係の話題が紙面に載ると、会話が弾む。共通の話題を得るためにも新聞は大切だと実感する。小さなことでも相談しやすい雰囲気づくりが、不満の解消や業務改善につながるので、新聞を普段の会話に生かしながら、よりよい職場環境をつくりたい。

事故の記事で安全考える・細谷地亮さん

 千葉県で起きた飲酒運転による児童の死亡事故は、新聞で詳細を知った。高速道路の清掃中、捨てられたビール缶を目にし危険だと感じていたが、記事で事故を身近に感じ、家族で子どもたちの安全を考える機会になった。朝の10分だけでも目を通すことで幅広い情報が得られるのは重宝。習慣化し、家族や上司とのコミュニケーションに役立てたい。

語彙が増え文書作成に力・佐藤猛さん

 活字を読むのは嫌いだったが、新聞はさっと短時間で読めることが分かり勉強になった。新聞を読むことで語彙(ごい)も増え、報告書などの文書を作成するのに役立つ。テクノスの目標は「安全は家族の安心から」。われわれだけでなく、利用者の方を無事に家に帰すことが、その家族の安心になる。自分の家族には「お父さんは道路を守っているんだよ」と伝えたい。

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