2021.07.01

基本は「運転士に任せて」 京都、市バスの車いす介助

京都市バスに備え付けられたスロープを下ろす職員。スロープの形はバスによってさまざまという=同市南区・市交通局九条営業所
京都市バスに備え付けられたスロープを下ろす職員。スロープの形はバスによってさまざまという=同市南区・市交通局九条営業所

 「市バスに乗っていて車いすの方に出会うことも多い。運転士さんが1人で車いすの介助(かいじょ)やスロープの操作などを全部しているけれど、乗客(じょうきゃく)に手伝(てつだ)えることはないのか」。こんな声が京都新聞社の特命取材班に寄せられた。

 京都市交通局によると、車いすで市バスを利用(りよう)した人は2019年度は7627人だった。02年度の利用者数は1122人だったので、この20年間ほどで6倍以上に増えた。

 市交通局運輸(うんゆ)課の飯田尚一係長は「816台のバスの全てが5年ほど前に低床(ていしょう)タイプに切り替わったこともあって利用される方が増えたと思います」と推測(すいそく)する。以前は車いすの人が乗りやすい低床バスの台数が限られていたため、利用者は事前(じぜん)に乗車予定のバスを交通局に連絡(れんらく)していたが、現在は事前連絡は不要になった。

 乗客が手伝う機会はあるのか。「読者(どくしゃ)に応える」に投稿(とうこう)した上京区(かみぎょうく)の女性(45)は「車いすスペースの座席を畳(たた)んだり、スロープを出したりといったことなら私でもできるんじゃないかと思っていつも見ている」と話す。ダウン症(しょう)の娘(むすめ)の育児(いくじ)を通して「誰(だれ)かが大変そうな時に自然(しぜん)と助け合える社会になれば、心のバリアーも自然となくなるのではないかな」との思いもあって投稿したという。

 飯田さんは「うれしい申し出ですが…」と前置きしつつ「基本は運転士に任せてほしい」と話す。車いすスペースの座席を畳む際に指を挟(はさ)む恐(おそ)れがあり、スロープも種類(しゅるい)によって扱(あつか)い方が違うため、研修(けんしゅう)を受けた運転士が扱うよう指導(しどう)している。乗客がけがをしたり、車いす利用者の事故を防ぐことが理由という。ただ、「電動(でんどう)車いすなど重量(じゅうりょう)があって運転士1人で動かせない時は、手伝いをお願いする場合がある」とも付け加えた。

 他都市の対応はどうだろう。大阪市内の路線バスを運行する「大阪シティバス」や神戸市交通局によると、京都市交通局と同じで、車いすの人の乗車は運転士が単独(たんどく)で対応している。

 では、日常的に手伝えることはないのか。「お願いしたいことがあります」。飯田さんが言葉を続ける。「車いすを固定(こてい)するスペースの座席に座っておられる方は、車いすの方が乗車される時はどうぞ席を譲(ゆず)ってください」。運転士の補助(ほじょ)はできなくても、笑顔で席を譲るだけで十分な手伝いになるようだ。

 (京都新聞社提供)

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