リレーエッセイ イワテライフの楽しみ方

及川武宏さん第1回(全2回)

 
家族で行ったブドウの植樹(写真中央が筆者)

 生まれ育った大船渡市へ7年前に戻り、ワインやリンゴを発酵させたシードルの醸造を始めました。きっかけは17年前にニュージーランドで見たワイナリーです。ワイン文化がさまざまな国や地方から人を呼ぶ地域資源になっていることを知り、「日本の地方でも同じことができるかもしれない」という可能性を感じました。

 2011年の東日本大震災で地元が被災し、地域のために何かできることはないかと考えた結果、起業しかないと14年にUターン。16年に縁あって陸前高田市の特産品で130年以上の歴史を持つ米崎りんごの園地を借り、両親に手伝ってもらいながらリンゴ栽培を始めました。わい化栽培ではない古木が多く、枝が四方八方に伸びているので作業には手間暇が掛かりますが、風味は濃厚。その年に台風で収穫予定の約半量の2千㌔㌘のリンゴが落下した時には衝撃を受けましたが、その一方で、栽培に関する経験値が一気に高くなったと思っています。

 16年には、並行して約700本のブドウも植樹。子どもも含め、家族総動員で行いました。ブドウを収穫するまでには時間がかかるため、まずはシードル造りをスタートさせました。

今月の人 及川武宏さん
大船渡市出身、42歳。コンサルティング会社、東日本大震災復興支援財団での勤務を経て2014年にUターン。ワイナリー「THREE PEAKS(スリーピークス)」を立ち上げ、ブドウやリンゴの栽培と、ワイン、シードルの醸造を手掛ける。