2021.06.03

42・195キロ、どう割り出す? マラソン大会

マラソンコースを自転車で計測する関係者=京都府内(日本陸連提供)
マラソンコースを自転車で計測する関係者=京都府内(日本陸連提供)

 北陸新幹線金沢-敦賀(つるが)間開業(かいぎょう)に合わせ、2024年春に福井県内で計画されているフルマラソン大会。福井新聞の特命取材班に「コースの距離はどうやって測(はか)るの?」と疑問の声が寄せられた。答えは「自転車で計測(けいそく)」。全国各地のマラソン大会で、計測員3人が走行し42・195キロを割り出している。福井でも同様、正確さを第一にコース設定を行う。

 大会は、JR福井駅西口付近を発着点(はっちゃくてん)とし、福井市や坂井(さかい)市を巡るコースが検討されている。公認(こうにん)レースは日本陸連の検定(計測)を受ける必要がある。

 福井陸協には日本陸連公認の自転車計測員が2人いる。その1人、岡田文男さん(63)=越前(えちぜん)市=は県内外でマラソンコース計測に携(たずさ)わってきた。

 岡田さんによると、かつては専用ワイヤで50メートルずつ測っていたが、近年は自転車による計測が主流。車輪の回転数を測るカウンターを前輪(ぜんりん)に付け、この数値から距離を割り出していく。市販のスポーツタイプ車を使うが、ブレーキは前輪用が左、後輪(こうりん)用が右と逆に改造してある。計測の途中、前輪を左手でロックしながら、右手にペンを持って数値を書き込めるようにするためだ。

コース計測時、自転車の車輪に取り付けるカウンター

 計測を3人で行うのは、正確さを期(き)し、転倒や故障など不測(ふそく)の事態に備えるため。日本陸連と近隣県、地元の協会から1人ずつ派遣(はけん)される。3台が縦列(じゅうれつ)となり、道路端から30センチの車道を走る。「いかにふらつかないで最短距離を走れるかがポイント」と岡田さん。それでも3人の計測値は微妙(びみょう)に異なるため、最も短く走った計測員の結果が採用されるという。

 スタート、ゴール地点を動かせない場合は、その形から「でべそ」と呼ばれる調整地点を設ける。いわゆる折り返しの箇所(かしょ)で、「でべそ」の距離を伸ばしたり短くしたりすることで42・195キロぴったりにする。

 コース取りは前日、入念(にゅうねん)に確認する。計測の所要時間は3時間ほど。道路使用許可を取った上で、安全のため前後を自動車がガードしながら通行量の少ない早朝から行う。

 本番まで3年。先ごろ準備委員会が発足し、本年度中にコースなど実施計画が決まる予定で、その後が岡田さんらの出番。3台のトップを走るのは道路状況を熟知(じゅくち)した地元の計測員。腕の見せどころだ。

(福井新聞社提供)

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