毎週火曜日に本紙に掲載している小中学生向け1ページ特集「わくわく 読んで 解いて 力(パワー)UP」。記事を読んでクイズを作ったり、解いたり、楽しみながら読解力や思考力を身に付けてもらう内容で4月からスタートした。日本新聞協会のNIEアドバイザーら県内小中学校の教諭8人が監修に協力。子どもたちが記事を通じて地域に関心を高める機会にもなり、教育現場で活用が広がっている。

 

《県立盛岡視覚支援学校》楽しく調べる関心事

ホワイトボードに張り出された子ども新聞。子どもたちが見やすいよう工夫している

 盛岡市北山の県立盛岡視覚支援学校(高橋縁(ゆかり)校長、児童生徒27人)では19日、高学年が社会の授業で特集のクイズなどに挑戦した。幼小部主事の熊谷美子(よしこ)教諭は、18日付のクイズの題材になっている盛岡市動物公園のキリンの嫁入り記事と、それを点字で打ち直したワークシートを準備。小学部5年の河瀬蒼空(そら)君と同6年の藤原悠斗君の2人は、熊谷教諭がゆっくりクイズを読み上げると、拡大読書器やルーペを使いながらじっくりと文章を読み込んだ。

 「この動物の名前は」「場所はどこだろう」。教諭が問いかけると「わかった」「キリンかな」と情報を拾い上げ、元気よく答えた。同日の子ども新聞からは各自がお気に入りの記事をピックアップ。「マリってどんな国?」と声をかけられると早速、地球儀や地図で確認していた。

 意味が分からない言葉や興味のある事柄は、タブレット端末「ipad(アイパッド)」で調べるよう促している。新聞で新しい言葉や出来事に出合うたび、こつこつと調べ学習を繰り返し、関心事を掘り下げる楽しさを感じている。

 藤原君は「カラー写真は見応えがあり、地元の記事を見つけるとうれしくなる。クイズは作るのも良いけど、解く方がもっと楽しい」と笑顔。河瀬君は「新聞はおもしろくてたくさん読みたくなっちゃう。クイズは解くだけでなくじっくり考えて作っています」と声を弾ませた。

 同校では数年前から、本紙別刷りの子ども新聞を高学年の児童の授業に取り入れている。4月からはクイズ作りも始めた。視野が限られ日常的に得られる情報量の少ない子どもたちに、地域や世界への興味を持ってもらえるよう、定期的に新しい情報に接する機会をつくっている。

 

《軽米・晴山小》クイズ挑戦、視野広げ

出来上がった問題を互いに発表し合う児童

 軽米町内では3小学校の5、6年生全員に毎週火曜日、本紙と別刷りの子ども新聞がセットで届いている。同町晴山の晴山小(中村牧子校長、児童67人)は14日、5年生15人が本紙の特集紙面を広げ、県内小中学生の応募によるクイズの解答を考えた。続いて県内の子ども向けニュースを「お題」にしたクイズ作りに取り組んだ。

 多数の応募の中から選ばれ、紙面掲載されるクイズは全部で4問。この日使った11日付の紙面では同校5年の上村然音(かみむらぜん)君が作った問題が採用された。児童はクラスメートが考えた問題に挑戦した。

 このクイズのテーマは今春、紫波町の3校が統合して誕生した小学校の話題。晴山小も2010年に3校が統合して生まれた小学校。新たな歴史を刻む児童の思いや地域の願いを自分たちと重ねて読み取った。

 「答えを見つけましたか」。担任の関慶子教諭(53)の呼び掛けに児童は「はい」と元気よく返事。ヒントを出し合って答えを見つけた。出題者の上村君は「自分が作った問題をたくさんの人に解いてもらえると思うとうれしい」と笑顔を見せた。

 次はいよいよクイズ作り。お題は市町村ごとに特徴があるマンホールのデザインを紹介するカードの記事。クイズ作りは解くときよりも一段と集中して記事を読み込む必要がある。関教諭はポイントとして▽分かったことや伝えたいことを問題にすること▽自分が住む地域と比べてみること-の2点を挙げた。

 児童は記事に出てくる遠野市や地元の軽米町の場所を地図で調べ位置関係を確認したり、軽米町のマンホールのデザインについて話すなど、身近なことにも視点を移して学びを深めた。

 苅敷山翔(かりしきやましょう)君は「友達がどんなところに注目して記事を読んでいるか知ることができて楽しい」、本田琉理(るり)さんは「みんなを驚かせるような問題を作りたい」と張り切っていた。