4月に八幡平支局に着任し、1カ月余りが経過した。久々の外勤記者生活に不安も多いが、毎朝残雪の岩手山の雄々しい姿から勇気をもらう。「山の懐に抱かれる」という言葉があるが、まさに山々に見守られるような心持ちで、毎日を過ごしている。

 3年前まで勤務した大船渡市では、夕焼けに染まる三陸の海と、水平線に小さく見える漁船の構図が好きだった。海から山へ。新天地でも、さまざまな風景を心に刻みたい。

 山での取材は天候との闘いでもある。八幡平アスピーテラインの取材では、2年連続で初日の開通がお預けとなっていただけに、関係者には「私が(運を)持っているか、いないかですね」などと話していたが、結果は開通ならず。早くも「持っていない」ことが露呈した。

 開通後も変わりやすい天気に悪戦苦闘したが、ゴールデンウイーク前に、ようやく晴天のアスピーテラインを拝んだ。恥ずかしながら人生で初めて目にした雪の回廊と、八幡平山頂からの大パノラマは言葉を失うほどの美しさだった。

 今後も初夏の新緑から秋の紅葉へ、山は四季折々の表情を見せてくれる。山に「抱かれて」ばかりではなく、自らも夢を抱き、希望を抱き、八幡平を走り続けたい。

 (牛崎想也)