2021.05.10

列車の混雑計測、配信 盛岡・サイバーコア、東京メトロと開発

列車の混雑状況計測システムのイメージ(サイバーコア提供)
列車の混雑状況計測システムのイメージ(サイバーコア提供)

 【東京支社】画像認識や人工知能(AI)のシステム開発などを手掛ける盛岡市盛岡駅西通のサイバーコア(阿部英志社長)は、列車の混雑状況を計測するシステムを東京地下鉄(東京メトロ)と共同開発した。ホームに設置した特殊なカメラで車両内の状況を把握し、AI技術を活用して混雑率を推定する。本年度内には、スマートフォン向けのリアルタイム混雑情報の配信開始を目指している。

 サイバーコアはシステムの基幹技術を開発。空間を把握できる「デプスカメラ」を駅のホーム端に1台設置し、車内を1両ずつ撮影する。「深度データ」の映像は軽量化して送信。サーバーでAI技術を使って画像解析し、混雑率を推定してスマホなどに送信する仕組みだ。両社共同で特許を出願している。

 駅を発車してから十数秒で、号車ごとに列車内の状況を算出可能。従来は目視など人力で測定していた混雑率を、短時間でより精度を高めて算出できる。

 システムは、東京メトロ全線の複数駅(各路線各方面の数カ所程度)に順次設置。準備が整った駅から計測を始める。東京メトロのアプリなどを活用し、利用客へ列車の混雑状況の配信を目指す。

 サイバーコアの開発した技術では、将来的に手前の駅を出た列車の混雑状況を次の停車駅で待つ人へ情報提供することも可能。各駅ですいた車両へ利用客を誘導できる。

 開発した技術を応用させ、過去の混雑情報と天気予報、入試など催事情報を組み合わせて、列車の混雑状況の予測ができるような改良も重ねていく。技術開発は、同社のベトナムオフィス含む社員10人程度で開発を進めてきた。

 同社は画像認識のAI技術を競う国際コンペティションで2018年に準優勝し、自動運転やセキュリティーなどの分野でも独自技術を提供している。

 阿部社長は「開発した技術を全世界の鉄道会社に普及させたい。画像とAIを組み合わせた技術開発で貢献していきたい」と展望する。

 人工知能(AI) 人間の脳のように物事を学習したり、膨大なデータから推論して判断を下したりすることができる技術。高性能のコンピューターを使い「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる手法で大量のデータを解析し特徴や傾向を割り出す。自動車、家電、医療、金融、軍事など幅広い分野に応用され、世界中で開発競争が激化している。