2021.04.08

二つの建物、なぜそっくり? 花巻・展示館の細部、紫波を参考に

旧紫波郡役所庁舎と見た目がそっくりな「早池峰と賢治の展示館」
旧紫波郡役所庁舎と見た目がそっくりな「早池峰と賢治の展示館」

 花巻市大迫町の「早池峰と賢治の展示館」。県有形文化財に今月指定される旧紫波郡役所庁舎(紫波町日詰)に「なぜそっくりなのか」と、読者から岩手日報社の特命取材班に疑問が寄せられた。展示館は旧稗貫(ひえぬき)郡役所庁舎を再現したものだが、取材を進めると、もともと明治時代に全国各地に建てられた郡役所は擬洋風建築のデザインを取り入れたものが多く、細かな部分は旧紫波郡役所を参考にしたことが分かった。

 展示館の前身、旧稗貫郡役所は1902(明治35)年、同市花城町の花巻地区合同庁舎の場所に開所。岩手軽便鉄道の鳥谷ケ崎駅に近く、宮沢賢治(1896~1933年)の童話「猫の事務所」では「軽便鉄道の停車場のちかくに、猫の第六事務所がありました」と表現され、作品のモデルになったとされる。

 郡制の廃止に伴い、26(大正15)年に役目を終えた。63年に一時は解体されたが、「どんぐりと山猫」などの舞台となった旧大迫町が、建材をそのまま使い役場の第2庁舎として活用することにした。

 その後、大迫町役場の移転新築の際に「寓話(ぐうわ)の舞台となった建物を壊すのは惜しい」として、旧稗貫郡役所の外観を再現した展示館として復元を決めた。

 第2庁舎は玄関ポーチを撤去して使っていたため、再現に当たり、旧稗貫郡役所の写真を参考に復元を試みたが、細部の意匠は様式が似ていた旧紫波郡役所庁舎を参考に復元。合併後の2007年に完成した。

県有形文化財に指定される旧紫波郡役所庁舎

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