2021.04.19

やじろべえ 消えゆく 若者「知らない」、中高年「見掛けない」

 
 

 「やじろべえ」について各年代でどの程度知っているか取材してほしい―。滋賀県の50代男性から中日新聞社(名古屋市)の特命取材班にリクエストが届いた。男性の妻が会社で20代女性に聞いたら「それって何ですか。誰かの名前ですか」と言われたとのこと。

 倒れそうで倒れない、絶妙なバランスを保つやじろべえ。まさかと思い、近くにいた20代の若手記者に尋ねてみると「知らないです」「慣用句でしたっけ」と衝撃の返答が…。本当に忘れられてしまったのか、街で調べてみた。

 名古屋市の繁華街、栄で幅広い世代に声を掛けた。市内の男子大学生(21)は「見たことない。おもちゃかな?」。名前を教えると「アニメで聞いたことある」。思い出したのは、漫画「ドラゴンボール」のキャラクターだ。

 関西出身の女子大学生(19)も知らない様子。遊び方を伝えると「絶対おもんないやん」とばっさり。中高年世代も存在こそ知っているが最近は「見掛けない」と声をそろえる。

 やじろべえの歴史は江戸時代にさかのぼる。日本美術教育学会発行の「美術教育」(1998年)で、やじろべえに関する論文を発表したことがある滋賀大の新関伸也教授(美術科教育学)によると、享保(きょうほう)年間(1716―36年)には浮世絵に登場するという。

 一説には、現在の大道芸人のような門付(かどづ)けの「与二郎」がかさの上で披露したのが語源とされる。1800年代の滑稽本『東海道中膝栗毛』の主人公・弥次郎兵衛が、上下に振り分けた荷物を棒の先につるして肩に担いで運ぶ姿に由来するという説もある。

 なぜ存在感が薄まったのか。就実大(岡山市)の福井広和教授(理科教育学)は「理科が生活科へ変わり、必修でなくなったのが原因では」と話す。

 (中日新聞社提供)

◇    ◇

 身近な疑問から行政・企業の内部告発まで、あなたの依頼を岩手日報の記者が取材します。以下のいずれかの方法で、リクエスト・情報をお寄せください。

※ いただいた情報等の取り扱いには万全の注意を払い、取材源の秘匿を厳守します。
※ 取材リクエスト・情報について、メールや電話でご連絡する場合があります。投稿をいただいても取材できない場合もありますので、あらかじめご了承ください。

盛岡市内丸3-7
報道部 特命記者係
FAX(019・623・1323)

関連リンク