2021.04.18

点検で金銭、問題ある? 一関・一部地域の消防団員

「火の用心」を呼び掛ける札。消防団員がこの札を配ると、祝儀を包む住民は少なくない
「火の用心」を呼び掛ける札。消防団員がこの札を配ると、祝儀を包む住民は少なくない

 一関市の一部地域では、消防団員が毎年1月の火防点検で戸別訪問する際、住民から金銭を受け取っている。この行為に市民から「非常勤特別職の公務員なのに問題はないのか」という声が特命取材班に寄せられた。市消防本部にも以前から疑問、意見が届いているという問題。消防団、住民双方から実情を聞いた。

 「多大の御芳志を添え激励の言葉を賜り(中略)感謝の外(ほか)ありません」。今年1月、一関地域の消防分団の某部が住民に回覧した御礼文の一節だ。御礼文には祝儀を包んだ住民の芳名録が付され、この地区だけで六十数世帯から約9万円が集まっていた。

 同地域では出初め式に合わせて火防点検を行い、団員が各世帯に「火の用心」の札を配る。これに応じて祝儀を差し出す住民は少なくない。

 佐藤隆士団長は「(祝儀の贈与は)義務や強制ではない。団員から要求することもない。出されれば、ありがたく頂いている」と語る。祝儀は訓練時の弁当代や地域の自主防災活動費などに充てているとする。

 類似する寄付金については既に判例がある。「(消防団が)市民等から慰労などの趣旨で直接寄付金を受領することは違法となる余地がある」とした2010年の横浜地裁判決。違法性に言及した判決を受け、佐賀県唐津市のように寄付金の受け取りや募ることも禁止した自治体がある。

 対して、佐藤団長は「うちは寄付金をもらっているのではない」と語る。金銭名目は「祝儀」であるから判決には該当しないとの主張だ。この問題は昨年9月の市議会でも取り上げられ、勝部修市長も「ご芳志を頂く場合はあるが、寄付集めという認識は持っていない」と祝儀と寄付金は別との見解を示した。

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