東日本大震災の津波で被災した沿岸市町村は、国の補助を活用しながら企業誘致を進めている。三陸道や釜石道の開通を背景に運輸大手が進出するなど、震災前にはない動きが出てきた。移転跡地や未利用のかさ上げ地を有効利用するため、環境整備を進める市も。一方、震災から10年が経過し、地場企業の成長に軸足を移す自治体もある。

 釜石市片岸町の三陸道釜石北インターチェンジ(IC)近くの釜石営業所で、2016年から営業する福山通運グループ東北王子運送。震災前から三陸沿岸に物流網がないことが課題だったが、交通の利便性向上を見越して新設を決断した。地元を中心に20人以上を雇用している。

 新設には、津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金を活用。関東向けの荷物が8割を占め、宮城県内まで三陸道を使うことで競争力を高めている。