岩手で感じる、故郷・台湾との結び付き
リレーエッセイ イワテライフの楽しみ方
菅沼麗雯(レイブン)さん第1回(全2回)

台湾茶カフェ「fu-dao(フーダオ)」は、台湾ファンの交流の場として、岩手大近くにオープン。店内は、台湾茶の芳香と、台湾に関するおしゃべりの声に包まれています。新型コロナの影響下にあって旅行ができない状況でも、「台湾を身近に感じたい」という思いに支えられてきました。「いちばん近い台湾」をコンセプトにし、〝台湾の本物〟を提供しています。
台湾は、復興支援を通して岩手県民に広く認知されるようになったような気がします。でも実際はそれ以前から、深い結び付きがありました。後藤新平や新渡戸稲造をはじめ、岩手出身の多くの先人たちが台湾の発展に寄与したという歴史です。
岩手に住むまで、そうした先人たちは私にとって「教科書で習った日本人」という程度でした。でも盛岡出身の夫と結婚して岩手に住んでからは、ここが彼らを育んだ土地なのだと実感し意識するように。その結果、離れたはずの故郷との結び付きを強く感じるようになったのです。
ここ最近、中国語を教える一方、講演などで台湾の話をする機会が増えました。そうした中で、岩手と台湾の間にある長く深い結び付きの数々を知ってほしいという気持ちが、ますます強くなっています。
今月の人 菅沼麗雯(レイブン)さん