2021.03.09

海底に眠る車 伝える震災 大船渡・綾里漁港沖

水深15メートル付近に眠る車両。シートがむき出しになっている=大船渡市三陸町綾里(報道部・鹿糠敏和が潜水撮影)
水深15メートル付近に眠る車両。シートがむき出しになっている=大船渡市三陸町綾里(報道部・鹿糠敏和が潜水撮影)

 あの日の惨劇を伝える車が、三陸の海底で眠る。大船渡市三陸町綾里(りょうり)漁港外堤防の水深15メートル付近。発生から間もなく10年となる東日本大震災津波の猛威を今もとどめている。

 現場は綾里漁港の岸壁から約1キロ。プランクトンによる「春濁り」で視界は利かない。水温は7度。三陸の海の豊かさを感じながら、ゆっくりと潜行する。

 RVの車体が見えてきた。屋根はなく、シートがむき出し。腐食が進み、ナンバーは確認できない。海藻がびっしりと付き、隙間にフサギンポが身を潜めていた。

 海底から浮上すると、養殖施設のホヤのまぶしいオレンジ色が迎えてくれた。青と緑が入り交じる海には、10年の「再生」と「停止」が同居している。

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