新トレ@やよいLiving

 寝具リフォーム・販売のやよいLiving(リビング)を運営するやよいディライト(青野恵司社長)は3月、盛岡市東仙北の本社で実施した社員研修に岩手日報社のNIB講座「新トレ(新聞トレーニング)」を取り入れた。全3回の講座でショールームでの接客や営業力の向上を目指し、記事から確かな情報を読み取る方法に理解を深めた。

情報読み取る方法学ぶ

 接客業務担当の社員ら7人が受講。岩手日報の職員2人が講師となり第1、2回の講座を10、17の両日実施した。

当日の紙面から仕事に役立つ記事を探す受講者

 第2回の講座は「新聞から情報収集するコツをつかむ」がテーマ。記事内容を最小限の文字数で表している見出しを中心に、10分の制限時間内で紙面全体に目を通し、効率的な読み方を身につけた。

 新聞の特長は一覧性。関心のある記事の隣に、新たな関心を呼ぶニュースが見つかることもあり、興味の幅を広げることを心掛けて読むことを学んだ。

 当日の紙面をめくりながら、各面の特色を講師が解説。地域に密接な話題が見つけやすい地方欄、ヒット商品を紹介する経済欄の企画、隔週で掲載される「健康にクローズアップ」など接客時に活用できそうな記事を紹介した。

 講座スタートから毎日切り抜きしてきた記事を使い、相手に記事情報を伝えコミュニケーションを円滑にするワークショップも実施。新聞の幅広い活用法を体験した。

 31日に最終の第3回講座を予定。受講者を入れ替え、4月にも営業担当者らを対象に講座を全3回行う。

 経営戦略部チーフの羽田(はた)流星さん(25)は「丁寧に教えてもらい、以前より新聞が読みやすくなった。地域の話題、企業や自治体の異動など地方紙ならではの細やかな情報が得られることがあらためて分かった」と認識を新たにしていた。


顧客の思いに寄り沿う

戸田直樹常務 一問一答

 やよいディライトの戸田直樹常務に、社員研修の狙いなどを聞いた。

(聞き手=NIE・読者部 鈴木義孝)

「活字情報をしっかり理解する力をつけ、接客の向上に結びつけたい」と講座の狙いを説明する戸田直樹常務

―講座を企画した狙いは。

 「記者が伝えたい事実を活字からしっかり読み取り、理解する力をつけたい。活字の情報を理解することは、接客の質を上げることに結びつく。仕事だけに限らず、社員が社会のために何をすべきか、自ら考えられるようになってほしいという願いもある」

―接客力の向上に重点を置く理由は。

 「寝具のリフォーム事業では、お客さまの布団をお預かりするが、一つ一つの布団にはお客さまの思いが込められている。その思いを崩すことがないよう、どんな希望を持って私たちに布団を託したのか、接客時の会話から読み取らなければならない。睡眠に対する悩みなども聞いて対応できるようになるには、今回の講座は役に立つ」

―社員の情報収集の仕方をどう見る。

 「インターネットやテレビなどで関心のある情報にしか目を向けてこなかった社員が多いだろう。新聞の特色は一覧性。受講をきっかけに、新聞を読んで視野が広がり、一方だけでなく多方面から物事をとらえられる力がつくことを期待している」

―自身と新聞のかかわりは。

 「県内全域のお客さまと接する際に、岩手日報に載る各地のイベント、地域の話題をコミュニケーションに使わせてもらっている。最近では、震災で親を亡くした女性が10年を経て結婚し、家族ができたことを伝える記事など、記者の思いが込められた文章に目が向く」

 「日々新聞を読み、コロナ禍で自分たちにも役に立てることがあるはずだと考えている。睡眠で免疫力を高めることは、健康を守ることにつながる。睡眠の質を高めたいという関心は高まっていると思う」

―多メディア時代の新聞への期待は。

 「インターネットはフェイクニュースの心配があり、正確な事実を知ることが重要だ。正しい情報を基にコミュニケーションしないと顧客の信頼は得られない。社員の多くが睡眠や寝具の専門資格を持っているが、相手が何を求めているのか理解し、先回りして提案をできるのが本当のプロだ。新聞の記事から何を感じ、何ができるのか考える力を養うことが今回の講座の大きな狙いでもある」


記事情報を徐々に活用・伊藤香奈江さん

 ショールームで接客を担当している。これまで新聞を読もうと考えたことはなかったが、仕事に記事情報を生かせることが分かった。徐々に活用できるようになりたい。この春の新卒入社はいないが、若い社員が入ったら「新聞は難しくないよ」と伝えたい。

読む時間もっとつくる・高橋 佑奈さん

 岩手日報は小さいころから家にあり、なじみの新聞だ。社会人になって一層読むようになった。地方欄に近所の話題や、行ったことのある店が載っているとうれしくなる。朝食時に読むのが習慣になっており、今後はもっと読む時間をつくりたい。

活用は自由なペースで・金沢 寛子さん

 講座をきっかけに新聞を読み始めたが、県内だけでもいろいろなことが起きているのが分かった。情報をお客さまとの会話に生かしたい。テレビと違い新聞は自由なペースで読めるので、自分の性格に合っている。先日の休刊日は新聞が届かず寂しく感じられた。

経済にもアンテナ広く・ 重泉 愛さん

 宮城県出身で、岩手を知るために新聞を参考にしている。見出しと最初の段落だけで記事の概要が分かることを学び、より身近になった。イオン前沢店の支店に勤めており、奥州市や県南の情報は重要。行政や経済にアンテナを広げ、仕事に役立てたい。

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