釜石市大只越町 パート 及川かほるさん(57)

 3月1日は母の誕生日です。10年前のこの日、仕事でお祝いに行けなかったので、すしの出前を頼んで届けてもらいました。

 仕事から帰ると、実家から「すし食べたよ。うまかった。ありがとう」と電話がありました。「行けなくてごめんね。来年も食べるべね」と話すと「なんだがな。来年も、食べれっぺかな」と言うんです。

 私は何だか悲しくなって「何言ってんの! 来年も、また来年も誕生日すっぺし」。それが、あの日の会話でした。

 あれから毎年、3月1日には、すしを仏前にお供えしてお祝いしています。墓参りに両石町から桑ノ浜に向けて車を走らせる時、海を見ながら涙がこみ上げてきて、これから何十年たっても、忘れることはないあの記憶です。