リレーエッセイ イワテライフの楽しみ方

早坂大輔さん第2回(全2回)

 
ある日の朝食

 小さな本屋の店主の一日はのんびりしているように見えて、実はとても慌ただしく過ぎていきます。朝7時に起き、朝食後はパソコンでメールのやりとりや新刊本のリリース情報のチェック、古書の仕入れや企画展を開く作家との打ち合わせなどを行います。正午に開店してからは入荷した古書の値付けや新刊本の陳列、オンラインストアにアップする商品の撮影や文章作成、来店客の対応や注文商品の発送作業などをしています。

 店を切り盛りしながら、当店は出版も手掛けています。2018年に出版したくどうれいんさんの「わたしを空腹にしないほうがいい 改訂版」は、今もなお売れ続けているロングセラーです。彼女が自費出版したZINEが底本で、「手売りするのが大変だから」と絶版にしようとしていた時に声を掛け、編集し直して出版しました。定期的に開催する企画展にもいえることですが、新しい才能に出会い、そうした方々と新しいものを生み出せることは、やりがいの一つでもあります。

 そんな慌ただしい毎日を送っているぼくの一番リラックスできる時間は、家族と一緒に朝食をとる時です。どんなに忙しく、精神がピンと張り詰めていても、コーヒーを入れ、レコードを聴いたり家族と会話しながらトーストや果物を食べる-。そんな一日の始まりを、何よりも大切にしています。

今月の人 早坂大輔さん
1975年生まれ。サラリーマンを経て、2017年に新刊・古書店「BOOKNERD」を開業。書店経営の傍ら、出版も手掛ける。
主な出版物に、くどうれいん著「わたしを空腹にしないほうがいい 改訂版」。