国際会議のリニアコライダー・ワークショップ(LCWS)は日本時間の15日夜、開幕した。素粒子物理学の巨大実験施設、国際リニアコライダー(ILC)計画の実現を目指す世界各国の研究者らが4日間の日程で、分野別の現状報告や技術進展に向けた協議をオンラインで展開する。

 初日の全体会議の冒頭、ILCの設立準備に動いている国際推進チームで部会長を務める高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)の道園真一郎教授が「準備に4年、建設に9年程度を想定している。準備段階は技術面、拠点研究所の設計、人材確保などに向け活動している」と説明。今回の会議について「ILCの一層の可能性を議論できるのをうれしく思う」と述べた。

 期間中、本県からは東北ILC事業推進センター代表の鈴木厚人・県立大学長が建設着手や研究者の移住に向けた環境整備について報告。関連工事の受注を目指す西和賀町沢内の近藤設備(近藤正彦社長)は県工業技術センターとの研究について発表する。

 国際会議は日米欧の持ち回りで、2019年の仙台市開催以来。

 ILCは地下約100メートルに直線型加速器(初期整備延長約20キロ)を整備する世界最先端の研究施設。素粒子の電子と陽電子を光に近い速度でぶつけて未知の物質や働きなどを調べ、宇宙創成の謎に迫る。岩手、宮城両県にまたがる北上山地(北上高地)が建設候補地とされ、日本政府が誘致の可否を検討中。順調に進めば、2035年ごろの運用開始が見込まれる。