13日夜、宮城、福島両県で最大震度6強を観測した地震で、県内も最大震度5弱の大きな揺れが襲った。一関市などで停電が発生し、東北新幹線や高速道がストップ。県民は10年前の東日本大震災を思い起こし、緊張と不安の夜を過ごした。

 東北電力ネットワーク岩手支社によると、一関市内で約2万1200戸が停電し、14日午前0時すぎに解消した。

 JR新幹線統括本部によると、東京発盛岡行きの東北新幹線下りやまびこ69号が水沢江刺―北上間で停電のため一時運転を見合わせた。JR東北線は金ケ崎駅構内でストップ。列車に乗っている次女の帰りを待つ奥州市水沢姉体町の主婦小河原善枝さん(55)は「電話で連絡は取っているが、不安な気持ち。早く会いたい」と心境を述べた。

 IGRいわて銀河鉄道によると、最終の下り普通列車も巣子―滝沢間で一時運転を見合わせた。

 東北道は14日午前0時半現在、西那須野塩原(栃木)-平泉前沢間で安全点検のため通行止めとなっている。

 長く大きな揺れに、沿岸部では緊張が走った。陸前高田市内には、地震発生と落ち着いた行動を呼び掛ける防災無線が繰り返し流れた。

 震災津波で釜石市浜町の生活用品店などが被災し、現在は同市内でコンビニを経営する佐々木信也さん(49)は「間もなく震災10年という時期で、津波を思い出した。とにかく命を守ることが最優先。避難の意識、しっかり備えろということだと思う」と受け止めた。

 宮古市と山田町は災害警戒本部を設置。約20人態勢で対応に当たった町総務課危機管理室の佐藤文哉係長(34)は自宅から役場に駆け付け「普段の地震よりも家が揺れ、津波の危険が思い浮かんだ。情報を収集に努める」と業務に追われた。

 震度4を観測した盛岡市のファミリーマート盛岡肴町店では、1人の客がおり、店外へ避難を促した。陳列商品が床に落ち、大場馨店長(35)は「緊急地震速報が鳴り、東日本大震災が頭をよぎった。誰にもけががなく良かったが、改めて気を引き締めたい」と話した。